微粒子計測器

微粒子計測器の概要

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液中微粒子の測定と管理

液中微粒子の管理

人命にかかわる医薬品製造の分野などにおいては古くから液体中の微粒子管理が行われてきました。
また、航空、宇宙、重機、自動車等、油圧システムの登場と精密化により、作動油中に含まれる微粒子の管理も、一般化されています。
一方、近年のエレクトロニクス、メカトロニクス、そしてバイオテクノロジーのめざましい発展により、これらの分野で洗浄、希釈、反応などのプロセスに使用する水、溶剤、化学薬品、レジストなど、あらゆる液体の質が、たいへん重要になってきました。
こうした産業の分野だけにとどまらず、目的に応じた一定の清浄度コントロールに成功することが、品質や歩溜りを改善するという認識のもとで、従来のような“洗浄はしても計測はせず”から“洗ったら計る”“洗う前に計る”という能動的な表面汚染コントロールが、今あらゆる産業の分野ですすんでいます。

液中微粒子の計測

液体中の微粒子を定量的に測定する方法は、計数法と重量法に大別され、前者は汚染があまり進行していない粒子濃度の低い液体に、後者は汚染の進行した異物の多い液体に用いられます。
測定方法は、さらに顕微鏡法と自動粒子計数法とに分けられ、顕微鏡法は粒子をフィルター等上に捕集し、その像を光学的に、あるいは電子的に拡大し、粒径の測定と個数のカウントを行います。
自動粒子計数法の代表的な方法である光散乱式自動液中パーティクルカウンタは、センサ内の透明な流路(フローセル)に交わる光ビームを照射し、照射領域を通過する粒子によってもたらされる散乱光量からパルスをつくり、波高分析して、粒径、個数を求めます。
液体中の散乱光の強度は、照射光の波長、偏光面、粒子、媒質の屈折率、媒質のもつさまざまな性質などに左右され、物理的粒径が同じでも装置の光ビームとセル集光の配置、集光立体角や検出方式の相異などによって得られる測定結果が異なる場合があるので、目的とするコントロールオーダーに応じた最適のセンサを検討する必要があります。

液中微粒子の測定手法

手法名 逐次サンプリング評価方法 サンプリング
顕微鏡法 フィルターやウェハー等に捕集して測定する 粒子の形状、組成についての情報をえることができる。時間労力を要し、即時性がない。個人差やサンプリングによる問題がある。
重量法 フィルター等に捕集し乾燥後の重量を測定する 個数濃度がわからない。高濃度サンプルに適している。粒径個々の粒子についての情報また、粒径分布に関しての情報が得られない。
光散乱法
および
光遮断法
液体を流した状態で測定する 粒子を流した状態のまま、粒径・個数・粒径分布測定ができる。濃度の低いサンプルに適している。即時性があり、個人差が少ない。インライン計測に向き、多様なサンプル液体に対応できる。
電気抵抗法 (コールタカウンタ) 液体で流した状態で測定する 粒子を流した状態のまま、粒径・個数・粒径分布測定ができる。サンプル媒質の電導度の調整レベルによって、測定値は大きく変化するので、非導電性のサンプルには向かない。
音響法 液体を流した状態で測定する 超音波の散乱を用いる。インライン計測に向き、微小粒径測定には適さない。
ダイナミック 光散乱法 液体中に粒子が浮遊した状態で測定する 非常に小さな粒子(3nm~)を測定する。粒子(複数)のブラウン運動の相関を測定するので高濃度のサンプルに向く。また測定に長時間を要する。粒径を相対粒径分布として測定するので粒子個数の把握には向かない。
その他

PAS(フォトアコ-スティック)、レーザーブレイクダウン、レーザーフェーズシフト、フラウンフォーファー回折法等があるが、あまり一般的でない

液中微粒子計の構成

液中パーティクルカウンタは、光学系、流体系、および信号処理系から構成され、これらを集合した結果として、粒径分解能が与えられ、計数効率、偽計数、同時通貨計数損失などの諸性能が決められます。
液中パーティクルカウンタの校正は、油圧分野を除いては純水中の標準粒子(PSL)と波高分析装置によって、気中パーティクルカウンタのJIS B 9921の波高位の調整手順に準じて50%法で行われるものと、そうでない、いわゆる数合わせを校正手法とするものがあります。(カウンタ方式とモニター方式)」
光学系としては、大別して光遮断方式と光散乱方式に分けられ、光遮断方式は、LEDや半導体レーザーを光源とするものが多く、平行なビームがセル内を通過するとき、粒子が光散乱やわずかに回折を起こすことにより受光部に到達する光量が減少することで、粒径と個数を算出します。計数効率は基本的に100%、最小可測粒径は1μm程度となります。
1μmより小さい粒子を測定するためには、光源にレーザーを用い、照射領域のエネルギーを高め、粒子による散乱光自体を測定する方法により0.05μm測定を実現しています。

液中微粒子計の評価ポイント

液中微粒子計を使用する立場で、着目する項目

項目 逐次サンプリング評価方法
1 最小可測粒径 測定可能な粒子径の下限
●目的とする粒子径を正しく測定するための粒径感度が取れているか
●粒径感度の校正方法、信頼性(50%法を用いているかどうか)
2 粒径分解能 センサの分散性能、粒径感度の信頼性の指標
●目的に応じた粒径分布を測定できるか
●表示粒径の単分散粒子に対してセンサの分散が取れているか否か
●センサの理論値と実測値の一致度
3 計数 サンプルフロー中の一部にレーザー照射領域を絞り込み、粒径感度(最小可測粒径)向上を実現する手法がある。
低検出効率の装置では実際に存在する粒子を検出しない確率が高まり、低濃度域では測定値の信頼区間の幅が広がってしまう。
●どれだけの濃度であれば粒子を検出できるか(個数感度)
●測定値0個の意味はどうか、本当に0なのか、検出できない0なのか。
4 濃度応答性 サンプル濃度変化への測定値の追随性
●高濃度、低濃度(0を含む)の変化にダイレクトに応答できるか
●インライン測定時、カウント値の連続性はどうか
5 器差 センサの個体差・計数効率、感度の差がカウント値の差として表示
●複数のセンサによるカウント値のバラツキ
●製造時、メンテナンス時、計数比較検査は行われているか否か
6 トレーサビリティ トレーサビリティ体系はどうか
7 技術移転 メーカーはハードのみでなく、測定ノウハウや技術の移転に積極的か
その他、耐薬品性、取り扱いの容易さ、購入後のアフターケアー、コストパフォーマンスなど

クリーンルーム関連規格

JIS B 9920 クリーンルームの空気清浄度の評価方法
JIS B 9921 光散乱式自動粒子計数器
JIS B 9922 クリーンベンチ
JIS B 9923 クリーンルーム用衣服の汚染粒子測定方法
JIS B 9924 表面付着粒子計数器
JIS B 9925 液体用光散乱式自動粒子計数器
JIS B 9926 クリーンルームで使用する機器の運動機構からの発じん量測定方法
JIS B 9927 クリーンルーム用エアフィルタ性能試験方法
JIS B 9928 コンタミネーションコントロールに使用するエアロゾルの発生方法
JIS K 0230 純水の清浄度の測定方法及びクラス判定方法
JIS K 0550 超純水中の細菌数試験方法
JIS K 0553 超純水中の金属元素試験方法
JIS K 0554 超純水中の微粒子測定方法
JIS K 3605 高圧蒸気滅菌操作通則
JIS K 3801 除菌用HEPAフィルタの性能試験方法
JIS K 3836 空中浮遊菌測定器の捕集性能試験方法
JIS Z 4812 放射性エアロゾル用高性能エアフィルタ
JIS Z 8122 コンタミネーションコントロール用語