RION Techinical Journal Vol.1
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ハノイフエメコン川フーコック島ホーチミン 2018年からベトナムに現地赴任している私が、ベトナムでの仕事や暮らしについてお話しします。仙台に赴任していた時、当時の事業部長から「ベトナムに行きたい社員はいないか」という呼びかけがあり、面白そうだなと手を挙げました。日本ではリオンの認知度が高いことを日々、実感し、営業のしやすさを感じていました。「知名度が低い市場で仕事をしてみたらどうなるか、きっと成長できるだろう」と考えたのが海外赴任を希望した動機です。 海外への輸出は何十年も前から行ってきたリオンですが、検査機器の販売を本格的に拡大しようと2016年に進出したのがベトナムでした。現地には支店や営業所があるわけではなく、まずは耳鼻咽喉科医師との連携のため、主要な国公立病院内で聴力検査や補聴器の対応ができる体制を構築し、そこで日々、対応や販売を行っています。私はホーチミン市を活動拠点として、それ以外にハノイ市やフエ市などベトナム国内の各地病院や販売店へ営業活動をしています。ハノイとホーチミンは日本でいえば東北と九州くらいの距離。一時期は週に何度も飛行機で移動をしていました。 日本と違い、ベトナムでは大都市の一部の病院でしか聴力検査や補聴器の対応ができていません。それだけに補聴器を装用した患者さんの表情が明るく変わる瞬間は、私にとっても嬉しい瞬間で、仕事のやりがいを感じます。ベトナムでは、家族連れで心配そうにやってくる患者さんがほとんどで、補聴器によって家族全員が笑顔になるんですよね。そのたび、補聴器を紹介してよかったと思います。 一方、子供の時から難聴などで音が聞こえづらい上、言葉の訓練をしてこなかった方も多く、補聴器をつけても言葉そのものが理解できないといったケースをしばしば目にします。こうした点については日本と大きな差があり、聴覚検査機器の拡充、難聴者の早期発見とフォロー体制の強化、補聴器の購入補助制度などの公共福祉制度が改善されることを望んでいます。 仕事や生活でこの国の人や文化と接していると、ちょうど日本の高度経済成長期やバブル期のようだという声を聞きます。経済発展の速度は凄まじく、人々がどんどん豊かになっていく様子を、日々、感じています。そのような社会ですからとにかく人々の行動や判断のスピードが早い。ビジネスの場面では、「細かいことは後でいいから、利益につながるなら、すぐ行動を始めたい」というハングリー精神を感じます。物事がスピーディに進む点は今の日本とは大きく異なる部分でしょうか。私自身も学ぶことが多く、こうした学びを日本へフィードバックすることも私の仕事の一つと考えています。 ベトナムで働くリオン社員は私一人。責任感を強く感じる一方、生まれた国とは異なる環境で当社の製品を通じて、日本では経験できない活動に関われることは、とても充実感を覚えます。多くの方々に笑顔を届けることと売上を拡大することが、なによりのモチベーションですね。補聴器によって家族全員を笑顔にハノイの国立バックマイ病院内で、補聴器のフィッティングを行う現地販売スタッフの二人と一緒にベトナム料理に舌鼓ベトナム南端に浮かぶフーコック島でしばしの休暇を遠くまでビルが立ち並ぶホーチミン市街地メコン川クルーズを体験。果物を売る船にお邪魔した磯辺 雄大医療機器事業部所属 ベトナム駐在。2018年、ハノイに続きホーチミンでの補聴器販売開始にともない赴任。病院と販売店において、補聴器の調整や販売および医用検査機器の販売を担当。ベトナム国内でのリオンブランド認知向上と拡販のため、ベトナム国内を奔走中。 ベトナム編海外で働くリオンのスタッフが仕事や暮らしについてレポート。異国でリオンがどのように貢献しているのか、かの地での暮らしぶりはどのようなものなのかなどを、毎号、リレー方式で紹介していく。FROM OVERSEAS 16

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