佐々木 和子環境機器事業部所属。機器の設計変更や組み立て指示書の作成、関連書類の作成などを担当する。直感的にモードが切り替わる補聴器を! 私は補聴器を通じて日々、お客様と接する仕事をしているので、補聴器について考えることが多いです。技術が進歩してもっともっと自然な形で音が聞こえる、感じられるような機器を提供できるようになれば素敵ですよね。たとえば現在の補聴器は「対面の会話」を基準に音がよく聞こえるよう調整されていますが、そのほかの多様な音に対してもより感度が高まると、喜ぶ方は多いのではないでしょうか。風の音や鳥の声、波や雨の音。こうした自然の音をより良く聞きたい時には、その人の脳波を感じ取って「自然の音が聞きたい」と思うだけでそのようなモードに変わってくれたり。映画や演劇を見に行った時なども、劇場の音源と自動的にリンクしてストレスなく音が聞こえ、楽しめるようになればいいですよね。また、周囲の音を視覚的な情報として提供できれば補聴器は現在よりさらに使いやすいものとなるでしょう。補聴器が拾った言葉を文字化して、ゴーグルなどに映し出すといったことができれば補聴器を使う方の快適性はより高まると思います。理想は、利用する方が欲しい音を欲しい時に、より自然な形でキャッチしてくれるような補聴器。身の回りの様々な音を感じて、理解して、楽しめるような装置です。2050年といえばまだまだ時間はあります。そのような補聴器がきっと実現できればいいなと思います。2050年はどんな世界?藤森 素良医療機器事業部所属。リオネットセンターにて補聴器の案内、販売、顧客対応を担当する。あらゆる音が楽しめるように! 現在は、騒音計の製造に関わる業務を担当していますが、将来、騒音計がどのような姿をしているかなと考えることがたまにあります。たとえば、今は専用機として製造している騒音計のシステムを、30年後には誰もが持っているスマホにダウンロードできるようになるかもしれません。環境問題を考えると、専用の筐体を必要としない騒音計は地球への負荷も軽減できるでしょう。もしスマホが騒音計の役割を果たすようになれば、限られた方が使っていた騒音計が一般に広く浸透し、多様な目的のために使っていただける。たとえば音を測定するということだけでなく、音を測定して楽しむといった領域にまで進化できれば面白いですよね。以前、環境活動に関わっていた時、公園の清掃をしていてふと、虫には色々な音色があるなと感じたことがありました。でも虫の音色を聞いて、その名前を言い当てるのはなかなか難しいもの。スマホの中に精巧な騒音計のソフトが入っていて、これをかざせば虫や鳥の音色を判別し、ビジュアルとして表示できたらどうでしょう。音の波形を分析する技術がさらに進化すればこのように「音を調べて楽しむ」といったことが容易にできるかもしれません。技術を利用して社会の課題を解決するのがリオンの使命ですが、未来の社会では人々の生活をより楽しく、豊かにできる製品を提供していきたいと思いますね。10
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