ミライのリオンSESSIONを持つこと」だと思っています。つまり相手の業務、課題に対して積極的に関心を持つ、理解するという姿勢です。 本当にその通りだと感じます。交流の一歩として横串活動があると思うんですが、これから先は、組織と個人、それぞれでどう交流していくかを考え、意識改革していく必要があります。現状、電気系とかセンシングとか解析といった機能毎に横串活動が始まってきました。でもただ参加して話を聞くだけではなく、互いの話をきちんと理解できる状態にまで持っていく必要があるでしょう。リオン全体で見れば、それぞれの技術を共有することは非常に重要で、たとえば微粒子計の設計であればセンシングの部分は他セクションとなかなか共有できない技術が多いですが、その先の電気回路やデジタル処理といった分野では良いアイデアを共有できるんじゃないかと感じています。実際、微粒子計では最近導入した技術が、騒音計の分野ではかなり前から利用されていたということがありました。ただこうした知識の共有は、組織任せでも個人任せでも上手くいかないと思っていて、どうすればこの共有を推し進めて行けるか、組織も個人も良く考える必要があります。 縦割りの中でやるべきことがもちろんたくさんある中で、横の連携を取っていくのはなかなか難しいです。私は身の回りのエンジニアに「サバイバル力」が大切だとよく言うんですが、これには色々な意味を込めていて、知らないことを知ることに貪欲であるとか、そのために勉強を継続する根気や体力であるとか。さらには自分の「枠外」への興味を持つことです。デジタルの信号処理に関わっていてもアナログ回路に興味を持つとか、社内で開発を続けていても外へ出て顧客の要望に関心を持つとか。自分の枠をここまでと決めてしまえばそこが限界になってしまいます。そのようなサバイバル力を発揮するとどんな未来が見えてきますか? リオン社内でよく言われているのが「つながる」というキーワード。たとえば、もともとある製品とパソコンとをつないでひとつのソリューションにしていくように、ある製品や技術を関わりのなかった分野に持っていき、これまで知らなかった世界とつながっていくということも有益でしょう。音をセンシングして見える化する製品を開発するのが今の業務ですが、音の見える化と全く別の分野の見える化がつながることによって、新しい価値を生むという可能性もあると思います。 リオンでは多様なセンサーを作っているわけですからこれらを様々な場所に設置し、そこから得られた結果をビッグデータとして解析して新しい価値を生む。抽象的ですがそんなことがリオンで実現できればとても面白いと思います。個人的には微粒子計測の世界と音関係の技術をコラボさせて何か新しいことをやってみたいと考えています。現状、半導体デバイス市場がビジネスのメインターゲットになっていますが、将来的にはリスク分散を考えなくてはなりません。リオンの技術者は、必死に新しい分野を模索していかなければなりません。 そうですね、そのためには当たり前のことかもしれませんが、顧客と接したらニーズを汲み取ってそれを具体的な形にしていくことは未来においても大切です。顧客が困っていることをひた向きに解決していく。技術の本質はそこにあるわけじゃないですか。顧客がこうしたいと思っているなら、なるほど、じゃあこのような機器、仕組みを作るのでぜひ使ってみてくださいと。社会が多様化してニーズも多様化するわけですからリオンのやるべきことはどんどん増えてくるはずです。自分としても会社としても枠に囚われず、自由な発想で理想を形にしていくという気持ちが必要だと思います。ありがとうございました。矢口 博彬技術開発センター 要素技術開発室 微粒子センサー開発グループ。2013年入社以来、生物粒子計数機の研究開発に関わり、2019年からは液中微粒子計測の分野に没頭する。ミライのリオンSESSION中堅エンジニアたちのトークセッション騒音計測、微粒子計測の分野で活躍する二人の中堅技術者が、未来の技術やリオンの未来について議論。最先端の現場から考察する未来の展望とは?11
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