騒音計など音響計測器の開発現場では、この「94」という一見奇妙な数字が重要な意味を持つ。音は空気を伝わる波(音波)であり、音波により生ずる圧力変化を音圧といい、単位は「Pa(パスカル)」で表される。人がかろうじて聴こえる最小の音圧はおよそ20 µPaであり、音の大きさは、この20 µPaを基準(=0 dB)とする対数計算によって算出される。この時に用いられるのが「dB」という単位である。そして、1 Pa(パスカル)という基本と言える音圧は、94 dBという音圧レベルとなる。この94 dBは、音響校正器や騒音計のキャリブレーション(周波数1 kHz)に使用される。リオンの技術者たちはこの「94」を通じて1 Paとつねに向き合い、格闘を続けているのである。数字とリオンの不思議な関係
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