リオネットサークルによるあるべきプロセスリオネットサークルにより変わる、顧客の行動、感情の変容をビジュアル化。リオネットサークルによって販売店スタッフや医療従事者と連携してユーザーの不安が解消されていく。顧客とのタッチポイントがどこに発生しても、リオネットサークルが補聴器ユーザー、販売店、医療従事者をサポートする。大川 佳洋経営企画本部 企画部 IT推進課。1996年入社。微粒子計測器営業部では微粒子計測器の営業を6年担当。その後2002年にIT推進課に配属され、今年で21年目となる。システム開発のみならず、社内のインフラや基幹システムまでITで解決する、IT推進課の課長。統合した大規模なデータベースが、よりパーソナルかつ詳細なデータへと整うことによって、「リオネットサークル」がさらにきめ細やかなサービスに進化する。このデータベース管理をはじめとして、システム全体のデザインやマネジメントを手がけるのがIT推進課の大川佳洋である。 リオネットサークル構想のプロジェクトが発表されたとき、大川はプロジェクトの行く末に関し、少々、不安を抱いていた。当時はDX(デジタルトランスフォーメーション)などの用語だけが独り歩きしており、「データを蓄積して、何かを行いたい」といった漠然とした相談がIT推進課にしばしば舞い込んでいたためである。しかし聞けば聞くほど、新たなプロジェクトである「リオネットサークル」は違った。「最も時間を要したのが、システムにどのような機能を実装し、どんな風に活用していくのかを決める、要件定義の段階です。リオネットサークルは非常に大規模で膨大なデータを扱う構想だったので、システムの専門家としては本当に実現できるものなのか、効率が悪くないか、期待している効果を生むのかなど、一つひとつ精査する必要がありました。しかし、プロジェクトチームとしてはここに至るまでに大変な議論を重ねてきていますから、私の意見に対し、“もうやりたいことは決まっているのになぜもう一度ゼロから考える必要があるんだ”と感じた部分もあったのでしょう。ですから社内において広く、ITとは何を成しうるのかを明確に理解してほしいと、私たちの部署では考え、行動していましたね」 IT推進課の仕事は単にコツコツとプログラミングをするだけではない。プロジェクトするようなサービスを開始したいが、そのためのシステム構築がまだ追いついていない状況だ。しかしながら、リオネット セールスポートへの反応は上々で、2022年11月に実施した満足度調査でも9割が「満足」と回答した。その理由は、多様なキーワードで検索しても欲しい資料がすぐ手に入る仕組み。検索性にこだわり、AIを導入した上で専門用語のタグ付けも行った。補聴器販売に関する「これはどういう意味?」がすぐに解消できると好評である。 一方で、メーカーが顧客情報を扱うことが不安視されないか心配する意見もあった。「補聴器が必要な人に新たな顧客体験を創る」というリオネットサークルの目的とあわせて、ロイヤルカスタマーを生み出すことが、販売店に顧客を呼び戻すことにもなると丁寧に伝えることで理解を得た。「リオネットサークルは、究極のインサイドセールス(顧客と対面で接することなく、ロイヤルカスタマーへと導く支援型営業)の仕組みです。本来リオンは他メーカーよりも手厚く、安心感のあるフィールドセールスをモットーにしてきました。今後、インサイドセールスとフィールドセールスがしっかりと噛み合い、営業部が一丸となってプロモーションを進めていくことができれば、より強い組織に変わっていけると思っています」(奥田) 「リオネットサークル」の根幹を担う顧客データベース。リオンの顧客情報に、販売店や医療従事者から共有される情報をチームのアイデアをデジタル化する作業は、本当に必要なデータとは何か、必要なサービスとは何かを顕在化させる作業でもあった。 「リオネットサークル」のシステム構築はIT推進課にとっても挑戦的な内容だった。クラウドサービス内にシステムを構築するのも、特別なセキュリティが必要になる案件も、不特定多数の社外ユーザーが使うシステムを作るのも初めての経験だったからだ。若手2名を含む4人体制であったためリソース不足、スキル不足の不安もあった。「不安要素はありましたが、結果的に新たなノウハウを習熟でき、棚ぼた的ですが若手2人の急速な成長も実現しました。データベースを含むシステム構築はまだまだ途上段階。ユーザーが今何を求めているのかをタイムリーに拾いながら、スピード感を持って対応できるように努めます」(大川)デジタル化とは本当に必要なものを顕在化する作業5無関心購入
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