RION-JPN-vol8
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川村 潤一環境機器事業部 品質保証室。1997年入社。2018年まで製造課で環境計測機器(主に騒音計と振動計)を担当。2019年から現在の品質保証室の前身となる品質保証課に所属。品質保証室と部署名を変えた後も在籍。 リオン製品(微粒子計測器と音響•振動計測器)の高いクオリティを全身全霊で守るのが「品質保証室」の仕事である。リオンブランドの信頼性に関わる業務であり、1つのミスも許されない責任重大なポジション。ここではスタッフが日々、品質管理に目を光らせている。「新入社員が配属されないという点は、品質保証室の特徴です。問題が起きた時、どの製品のどの製造工程に関わるトラブルなのか、大体の当たりをつけて動かないといけませんし、他の業務でも製品に関する基本的な知識が必要です。そのため製造や開発、設計などの業務を経てこの部署に配属されるケースがほとんどなのです」と説明するのは川村潤一室長。多岐にわたる業務を取りまとめる責任者だ。 品質保証室がまず追求するのは製品が法律や規格などのルールを守っているか、一定の期間内に性能を維持できるかといった領域。ほかにも、品質保証室がカバーする業務範囲は幅広い。「例えば、新商品を世に出す場合。品質保証室は開発の段階から参画し、完成予定製品に求められる規格や関連する規制を調べて提言しています。開発途中で性能や仕様が変われば調べ直しますし、日本以外の国で販売するのであれば、同様の作業を何カ国分も行います」 製造過程においては、規格や規制が遵守されているかどうかを確認し、性能に問題がないか製品の検査を行う。こうして晴れて製品が完成した後も仕事は終わらない。出荷、販売の際に公的機関などへ何らかの申請が必要であればもちろんその対応をし、販売後も製品に関連した法律や規格の変化があれば対応し続ける。正確性と根気が求められる業務だ。 一方でファシリテーター的な役割を担うこともある。製品トラブルが発生した際の原因究明には、旗振りとして複数の部署を取りまとめていかなくてはならない。ここで各部署や製造ラインの主張が対立すると課題解決に影響が出てしまう。「原因究明がスムーズにいかないと今後の取り組みにも影響が出るので、皆で製品をより良いものにしていきましょうという方向に導きます。そのため、当方が詳しい製品であっても当事者にはならず、常に一歩引いて事案へ接するように心がけています」 現場を理解しながらも距離感をとる。社内における中立的なポジションから、時に、右に左に揺れ動く組織のバランスを調整している。 製品リリースの背景には必ず品質保証室の存在がある。人気製品の開発者や敏腕営業マンのように脚光を浴びることはないが、品質保証室の堅実な仕事ぶりが製品のクオリティを下支えしているのだ。 次項からは、品質保証室が認定を受けている2つの制度、「JCSS認定事業者制度」と「指定製造事業者制度」のアドバンテージについて紹介し、リオンのステータスを高める品質保証室の取り組みをより具体的に解説していく。8 品質保証室の業務内容 ❶ 製品トラブルなどの問い合わせの対応 ❷ 指定製造事業に関わる業務 ❸ JCSS校正事業者に関わる業務 ❹ 社内の計測器の管理 ❺ 製品に関わる法律や規格の適合に関する業務 ❻ 製品の最終の検査、包装に関わる業務 ❼ 製品の品質に関する書類、トレーサビリティ、 校正証明書に関する業務リオン製品への信頼を守る縁の下の力持ち

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