RION-JPN-vol8
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9標準マイクロホンIECおよびJISで規格化された構造・寸法で、感度が高精度に校正されているマイクロホン。音圧を測る際のものさしとなる。JCSS校正事業者JCSSは「計量法校正事業者登録制度」の略称であり、日本の国家計量標準へのトレーサビリティが確保され、校正事業者としての技術能力を有する者のみが登録できる制度。登録にはNITE(独立行政法人 製品評価技術基盤機構)認定センターによる審査が必要で、これをクリアするとJCSS標章入りの校正証明書を発行できる。また、結果を国際的に有効にできるILAC MRA付きJCSS認定シンボルの入った校正証明書の発行も可能。指定製造事業者経済産業大臣から指定を受けることで、工場や事業場において、型式承認を受けた特定計量器を製造する際、都道府県などの公的検定機関で検査をせずとも、それと同基準の検査を自社で行うことができる資格。自社検査に合格することによって、検定に合格したものと同等とみなされ、「基準適合証印」を付すことができる。吉田 真環境機器事業部 品質保証室。1994年入社。開発部で7年ほど医療機器の開発を手掛ける。2001年から、ろう学校向け聴覚補助システムの設計開発に携わり、2004年営業部へ。システム設計など営業活動を支援する部隊で活躍。2006年から現在の業務(JCSS校正と計測器の管理)を担当している。下坂 竜也環境機器事業部 品質保証室。 2008年入社。新卒で製造部門に配属され、モノづくりを6年間学ぶ。2015年に今の部署の前身となる品質保証課に配属。現在は、製品に関わる法律や規格への適合に関する業務を中心に、JCSS校正の事務的支援を行っている。 品質保証室は、騒音計、音響校正器、計測用マイクロホン、振動加速度計をJCSS校正できる内容で認定されている。認定の審査をクリアするためには、ISO/IECに準じた社内の品質マネジメント体制を整えたうえで、校正の環境や技術を高める必要があり、ハードルは高い。また、一度認定されたら終わりではなく、約5年おきにやってくる規格の見直しに合わせて事業者も環境をアップデートしていく必要があり、認定を維持することにも負荷がかかる。実際、2017年の大きな改定では、JCSS校正事業者に関する社内のルールをほぼ作り直すという大仕事を行った。「案文作成や関連するメンバーへの周知など、体制作りには時間がかかりました。でも、お客様からも待ち望まれている認定ですからね。ちなみに、JCSSにはリオンという企業名で登録されているのではなく、品質保証室名義で登録されています。品質マネジメントと向き合う私たちのモチベーションも必然的に高まりますね」 指定製造事業者制度は計量法の1つであり、自社で製造した騒音計や振動レベル計を出荷する際、自社の検査を合格した製品に、「取引•証明」(裁判における証拠品などにも対応できる公の記録)に使える製品であることを示す「基準適合証印」を付すことができる制度だ。通常は、指定の試験場で検定を受けて、初めてもらうことができる証印なのだが、適切な測定環境を有し、使用する計測器の維持管理も適切であると都道府県から認められれば、その作業を代行することができる。ちなみに、騒音計、振動レベル計の区分において、この資格を持つ製造事業者は、東京都ではリオンのみとなっている。(2023年6月15日時点)「年に1度、東京都の担当者による立入検査を受けています。チェックポイントは社内の体制や測定環境が整っているかどうか、法律に則った管理ルールがあり遵守されてているかどうかなど。実際に測定場所を見学したり、書類のチェックをしたり、時には関係する部署の所属長から説明をもらうなどしています」JCSS校正事業者指定製造事業者国家標準のトレーサビリティと高い技術力を持つ校正事業者の証リオンは東京都で唯一騒音計、振動レベル計に関する「基準適合証印」を扱える製造事業者

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