マンガ:土屋多摩※「ガドリニウム」レアアースの一種。タンク中の純水に加えることにより、星の最期である「超新星爆発」によって宇宙に放出・蓄積されたニュートリノ「超新星背景ニュートリノ」の観測が高感度で行える。東京大学 宇宙線研究所神岡宇宙素粒子研究施設「スーパーカミオカンデ」スーパーカミオカンデは、1996年4月に岐阜県飛騨市神岡鉱山内の地下1000mに建造された世界最大の水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置。宇宙から降り注ぐ素粒子「ニュートリノ」を、直径39.3m×高さ41.4mの円筒形タンクに貯められた5万トンの水と、約1万1千個の光電子増倍管で捉える。仕組みは、ニュートリノがタンク内を水中の光の速度よりも速く通過した際、水の荷電粒子にぶつかることで現れるわずかな光「チェレンコフ光」を観測するというもの。ニュートリノの性質の全容を解明することで、宇宙の初期に物質がどのように作られたかの謎に迫っている。1998年には、これまで質量がゼロと考えられていたニュートリノの常識を越える「ニュートリノ振動」の証拠を発見し、ノーベル物理学賞受賞につながった。2020年には、観測感度を向上させるため純水中にガドリニウムを加え、今後は宇宙の歴史を探るべく、超新星爆発によって放出された「超新星背景ニュートリノ」の世界初の観測に期待が高まる。https://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/sk/生物粒子計数器 XL-10B1水中の生物粒子と非生物粒子を瞬時に見分け、細菌やプランクトンなどの生物粒子をリアルタイムかつ連続的に計測する機器。特有の波長のレーザを生物粒子に照射することで、細胞内の自家蛍光物質が発する蛍光を1個から検出する。対象の試料水を10ml/minで装置に通し生物粒子を連続計数する。現在、本装置は浄水場や製造用水の管理などに使用され、特に製薬用水中の生物粒子を特許技術により高感度で検出できるオールインワンタイプの専用器も発売されている。13
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