RION-JPN-vol8
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【言語聴覚士とは】言葉によるコミュニケーションや摂食、嚥下(えんげ)に問題がある方に専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築できるよう支援する国家資格。言葉によるコミュニケーションの問題は脳卒中後の失語症、聴覚障害、言葉の発達の遅れ、声や発音の障害など多岐にわたり、小児から高齢者まで幅広く現れる。言語聴覚士はこのような問題の本質や発現メカニズムを明らかにし、対処法を見出すために検査、評価を実施し、必要に応じて訓練、指導、助言、その他の援助を行う。する必要があります。私の場合は高校卒業後、愛知県にある言語聴覚士の勉強ができる総合大学へ入学しました。1年目は他学部の友達と一緒に教養科目の履修もしましたが、学年が上がるにつれて専門分野の授業が増えて忙しくなります。中でも大変だったのが医療機関で行われる実習です。実際に患者さんを受け持たせていただくのですが、私のリハビリ次第で患者さんの今後の人生が決まってしまうと思うと、やりがいと共に責任の重さも感じました。大学4年の2月に国家試験があり、3月に結果が出ます。合格した人のほとんどが医療機関に就職しますが、私は特に「聴覚」の分野に興味を持つようになり、リオンに就職しました。私は現在、新宿にあるリオネットセンターや病院の補聴器外来で補聴器のフィッティングを行っています。大学4年間で学んだ医学の基礎知識を生かし、最適な補聴器をお客様に提案することを大切にしています。例えば、先天的な障害や病気が原因の難聴の場合、病気の進行によって聴力が大きく変わっていくこともあります。また、お子さんの場合には、聞こえの問題取材・文/高橋 美由紀奥名 珠恵医療機器事業部 営業部。2019年入社。リオネットセンターに配属され、5年目。お客様に寄り添う接客をモットーとし、主に新宿のリオネットセンターや病院の補聴器外来で補聴器のフィッティングを行っている。連載第一回: 「言語聴覚士」はリハビリに関連した資格です。同じくリハビリの現場で活躍する理学療法士や作業療法士は体のリハビリを扱う専門家ですが、言語聴覚士は首から上のスペシャリスト。具体的には「話す」「聞く」「食べる」ことに関して障害がある人のリハビリをサポートします。医師の指示のもと、障害の原因を探って、それに合わせた訓練を行います。摂食嚥下障害の場合には、筋肉を鍛える訓練を行ったり、場合によっては体を傾けて安全に食べられる姿勢を探すこともあります。出来ないことを出来るようにするだけでなく、今出来ることを生かす方法も考えていきます。 この資格に興味を持ったのは、親族に医療関係者が多く、医療系の資格に興味があったためです。元々おばあちゃんっ子だったこともあり、お年寄りと触れ合う仕事ができたらいいなと思いました。また、私自身、人とコミュニケーションをとること、そして、食べることが好きなのですが、そんな人間の根源的な幸せを守るお手伝いがしたいと思いました。   資格を取得するには、法律で定められた教育課程を経て国家試験に合格20せっしょくえんげしょうがいが言葉の発育にも大きく関わってきます。病院内の言語聴覚士さんとも相談しながら、一人ひとりに合わせた補聴器の調整を行っていますが、学生時代に学んだ知識のおかげで、お客様の背景や全体像を想像する際にとても役立っています。最近、有名人が誤嚥性肺炎で亡くなられるニュースをよく目にしますが、誤嚥予防はまさに言語聴覚士の領域。今後はより、社会から求められるようになる資格でもあると感じます。 言語聴覚士は1997年に誕生したばかりで、まだまだ人材も不足しています。馴染みの薄い資格だと思いますが、言語聴覚士が増えれば社会復帰できる方も増え、元気なお年寄りも増えるはず。障害のあるお子さんの育児や家族の介護にも役立つ資格だと思っています。ごえんせいはいえんリオンの社員が有する多様な資格を紹介していく新連載。第一回は、言語聴覚士の資格。これは、一体どのような性質の資格なのかを、言語聴覚士である社員が解説していきます。人の幸せを守るお手伝いWith The License Of…言語聴覚士資格と仕事

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