「オクターブバンドフィルタ」小林理学研究所 音響科学博物館蔵これは1959 年に小林理学研究所で製作されたオクターブバンドフィルタ「SA2703」。当時は騒音計付帯機器として「帯域濾波器」の名称で販売していたものである。計測した騒音の特性を知るには、音圧(音の大きさ)に加え、周波数特性を分析する必要がある。音とは様々な周波数成分が組み合わさったもので、その周波数特性(波形)を知れば、騒音発生源の推定や騒音対策方法を見出すことができる。現在の騒音計は片手で持つことができ、プログラムを騒音計にインストールすれば、オクターブバンド分析が容易に可能だが、70 年ほども前の時代にはこのような機器がなければ周波数特性を知ることができなかったのである。取材協力/小林理学研究所 音響科学博物館 撮影/赤羽 佑樹進化する、音響と振動の技術The World Of AcousticsThe World Of Acoustics
元のページ ../index.html#2