11【リオネットプレシアⅡ】(2015年)■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【リオネットシリーズ】(2017年)■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■AFBCαの仕組み■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■「逆位相」方式+「周波数シフト」方式逆位相補聴器から出力されて再びマイクに入力した音に対し、逆位相の音によって打ち消しあう。周波数シフト約1000 Hz以上の音を、常に20 Hzシフトして(ずらして)出力することにより、同じ音の増幅が繰り返し行われない。周波数周波数「プレシアがその後のデジタル補聴器発展の礎となったモデルといえるのは、ハードウエアの観点からみても間違いありません。プレシアのプラットフォームを使って、様々な機種が展開されました。完成度の高い安定したプラットフォームの実現で開発効率が非常に向上したのです」 リオネットプレシアでは「ハウリングキャンセラーの強化」に取り組んでいるのが1つの特徴だ。ハウリングは大きくて不快な音(ピーピー等の音)が鳴り、装用を継続できなくなることもあるため、開発において必ず重視しなければならない要素の1つだ。リオネットプレシアでバージョンアップしたハウリングキャンセラーは、「逆位相方式」と「周波数シフト方式」を組み合わせることによってハウリングを防ぐもので、「AFBCα」と名付けられた。ハウリングが起きないようにコントロールできる数値を表すハウリングマージンが、リオネットロゼⅡでは約15 dBであったが、リオネットプレシアでは約25 dBまで改良されたことにより、聴力レベルが大きい人(より聞こえづらい人)用の補聴器にも対応できるようになり、製品展開の幅が広がった。補聴器の重要課題に正面から取り組んだことが、結果的にリオネットプレシアの汎用性をより高める機能へとつながったのだ。+=日本の補聴器メーカーとしての意地 2015年に発売されたリオネットプレシアⅡは、「SSS Speech+」という革新的な新技術搭載とともにリオネットプレシアをバージョンアップさせたモデルである。「SSS Speech+」は、リオネットロゼで登場した「SSS」を強化したもので、日本語が聞きやすくなるという画期的な機能をもたらした。「日本語には、あ・い・う・え・お、という5 つの母音がありますが、それぞれの母音に対し周波数分析すると、F1 からF5 まで5 つのフォルマントが異なる周波数(共鳴周波数)に現れます。私たちは、このフォルマント周波数の違いによって母音を判別しています。SSSの処理帯域では低周波数においてフォルマントとなる可能性のある周波数をカバーできておらず、ユーザーにはやや聞き取りづらい母音がありました。SSS Speech+では、処理できる周波数を250Hzバンドまで拡張したことにより、日本語の母音がより鮮明に聞こえるようになりました」(山田) 大学病院との共同研究を重ねて開発された「SSS Speech+」は、結果としてリオンの技術開発力とデジタル補聴器における知見の高さを広くアピールするものとなったのだ。「デジタル化によって、補聴器はお客様の多種多様な要望に応えられるようになりました。人それぞれ“心地よい聞こえ方”は違いますし、シーンによって求める聞こえも異なります。多彩な機能を盛り込むことができるようになり、ユーザーの選択肢がどんどん広がっていきます」と大澤が語るように、2015年以降、リオンのデジタル補聴器は加速度的に進化していくこととなるが、その過程はまた改めてお伝えする。
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