リオネット補聴器アンバサダーを務める、デフアスリートのYUMIEさんが手話の世界をわかりやすく紹介する連載の第2回。今回は、困っているときに出すサインについて解説していきます。19❶人差し指で自分を指す(「私」を表現。人に向けると「あなた」となる) ❷手のひらで耳をあおぐように上下にパタパタと動かす❶手のひらを相手に向けた状態で人差し指と親指だけを伸ばし、口元に持っていく(マスクを表す) ❷手のひらを返す(マスクを取る動作を表す)❸顔の前に右手を立て、前に出しながら頭を下げる❶❷❶❷❸❶❷が読めるので、何と言われているか分かってしまい、さらに悲しくなることも。きっとみなさんに悪気はなく、「手話ができない」という不安からの行動だと思うのですが、そんな時は焦らずに、紙を探して筆談してみてもらえると嬉しいです。今ならスマホのメモ帳アプリを活用するのもアリ。文字を介せば、ろう者も健聴者❶左手の平を上に向け、右手で文字を書くようにしながら、右手と左手を前後に動かす ❷顔の前に右手を立て、前に出しながら頭を下げる(お願いや依頼を表す表現)右手の親指を立てて、指先で唇の左右の端を往復する(通訳、紹介、案内、ガイドなどの意味もある)も関係なくコミュニケーションをとることができますし、向き合ってくれたこと自体に喜びを感じる方が多いと思います。ということで、今回は、外出先で出会った健聴者に対して私自身がよく使う表現や、緊急の表現を紹介しました。こんな表現を見かけたら、怖がらずに挑戦してくださったら嬉しいです。両手の5本の指を丸めた状態で上を向け、顔の横で左右に振る(救急車のライトを表現している)YouTube「リオネット補聴器 公式チャンネル」ではYUMIEさんの手話講座を動画で見ることができますYUMIE2歳の時、感音難聴によって両耳の聴力をほとんど失う。3歳でリオネット補聴器と出会い、18歳からボディーボードを始め、28歳でプロテストに合格。プロボディボーダーとして活躍し、2007年に引退。現在は、一般社団法人「陽けたら海へ」代表として、デフノーマライゼーション(=聴覚障がい者もそうでない人も分け隔てのない社会)の実現を目標に活動する。リオネット補聴器アンバサダー。※本コーナーの手話はNHK手話を参考にしています取材・文/高橋 美由紀 イラスト/前田 奈津子ワンポイント解説ワンポイント解説手話ができなくても、逃げないで向き合って デフの方々は外出先で時々、悲しい出来事に遭遇します。例えば、店員さんに「私、耳が聞こえないんです」と伝えると、慌てて別のスタッフの所に行き「耳の聞こえない人が来てます。私、手話できないので対応できません!」と訴えているとき。「そんなに、逃げるようにしなくても……」と感じますし、私は口の動き私、聞こえないんですマスクを取ってもらえますか?第2回第2回SOSに紙に書いてもらえますか?通訳YUMIEさん救急車RION気づいて!手話講座手話講座手話講座
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