9の2カ所を一日かけて見学するというもの。話を聞いたのは、研修担当の丸山洋一と陰山直樹。どのような場所でリオンの製品が活躍しているのか、これまでの研修は座学だけだったが、実際に目で見て体験してみてほしいという思いからフィールドワークで開催したという。「知識だけでは、なかなか新入社員に響かないという実感と反省があったことがきっかけです。現場、現物、現実の3つの“現”を重視する『三現主義』という言葉があります。机上ではなく、やはり実際に、現場で現物を観察して、現実を認識したうえで、問題の解決を図ることが大切だと感じました。そこで、手探りではありましたが、部署内で現場研修の場所や行程を組み立ててみました」(陰山) 午前中に飛行場、午後に浦山ダムを訪れるスケジュールを組み立て、電車やバスなどの公共交通機関を使って移動。現地集合・解散としたことも新入社員の主体性や能動性を養う狙いだ。「飛行場内には入ることができませんが、現地の雰囲気を観察したり、実際にどれくらいの騒音があるのかを体験したりすることは大きな刺激になったと思います。フィールドエンジニアリング部では現場へ定期的に足を運び、メンテナンスを行っているので、日々どのような業務を行っているのかを知ることにもつながります」(丸山) 午後、5,800万立方メートル(※東京ドーム47杯分程度)の水が貯められる浦山ダムでは、ダムの安全のために設置された地震計の計測現場を見学。ちなみにリオンの地震計は日本各地のダム300カ所以上に設置されている。「ダムには国交省の設置基準に沿って揺れを感知する振動センサを取り付けていて、振動センサが揺れを感知すると地震計を通じ震度などを集約するシステムへ通知します。これらは一般の人が入れない場所に設置されていますが、研修のため特別に案内をしてもらいました」(陰山)「今回の現場研修は初めての取り組みでしたが、リオンにどのようなお客様がいるかを入社時に知ってもらうことに意義を感じましたし、今後もエンドユーザーとの交流や現場を体感してもらえるような研修プログラムを提供していきたいと思います」(丸山)航空機騒音観測システムの見学ダムに設置された地震計の見学取材協力:水資源機構荒川ダム総合管理所羽鳥 宏明生産本部 製造技術部 補聴器製造技術課。2002年入社。入社から現在まで補聴器の製造部門に所属。生産工程や新製品の立ち上げなど、補聴器の生産に関わる業務にひと通り携わり、現在はマネージャー業務に従事。補聴器の組み立て実習リオンの製品を知るうえで、組み立ての経験は理解を深める最良の手段。現場の苦労や喜びを知ることが、後の業務に間違いなく活かされる。丸山 洋一フィールドエンジニアリング部 システム設計課。1998年入社。航空機騒音に関する業務を入社2年目から経験。音響校正システムの開発やリオン初となる監視システムへのAI開発納入なども担当した経験を持つ。陰山 直樹フィールドエンジニアリング部 営業課。2012年入社。音響振動計測器の営業を経て、現在に至る。大学時代は建築学科で学び、前職で培った土木分野の知見を、地震計が活躍する現場に活かし、営業活動を行っている。現場見学自社リリースの製品が、社会においてどのような使われ方をしているのかを体感。現場見学では、顧客の声を聞き、リオンが社会に貢献する事業を行っていることを実感するのがなにより重要だ。
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