ytisnetnI evitaleR試料導入部「XL-M4B」の内部構成図データロガー半導体レーザー特許技術深紫外線ランプ冷却部深紫外線照射部試料流量制御部圧力計フローセル逆止弁廃液光学フィルター光検出器センサ部1.0NAD(P)HEXCITATION0.052000RIBOFLAVINEXCITATIONNAD(P)HEMISSIONRIBOFLAVINEMISSION300400500Wavelength(mm)600700計数結果表示部および制御部(405 nm)するために最適な照射量と波長があることが分かりました。しかも、微生物以外の粒子の蛍光は増強せずに、微生物の自家蛍光をある程度特異的に増強できることも分かったのです。この現象の再現性を確認できたときはとてもうれしく、実験が面白かったことを覚えています。本特許が社会に果たす役割 生物粒子計数器のセンサ部に高価な大出力のレーザーを用いて検出感度を向上させれば、自家蛍光が微弱な水中の細菌を検出することは、ある程度可能になります。しかし、微生物以外の蛍光する粒子も誤検出し易くなってしまうことと、装置が非常に高価になってしまうというデメリットがあります。そこで、本発明を適用することによって、より「安価」に「微生物の検出感度を向上」させ、「微生物以外の誤検出も低減」するという一石三鳥?効果をもたらしています。さらに、深紫外線の照射によって装置内の細菌汚染も防げるという副次的な効果もあります。こうして、この発明は現在の生物粒子計数器の根幹を成すものになりました。 また、本発明によって「常時・自動で微生物の情報をデジタルデータ化する」をコンセプトとした生物粒子計数器を実現する※個々の微生物の自家蛍光を検出・微生物の自家蛍光を特異的に増強・偽陽性計数の低減・装置内微生物汚染リスクの低減細菌がもつフラビン酵素の自家蛍光を検出し微生物をカウントする細菌のイメージことができました。これは、人手を必要とする測定が主であった微生物汚染管理において、これまで無かった全く新しい視点を世の中に提供することができたと考えており、人口減少による労働力不足など、社会課題の解決に大きく貢献できると思います。そして、これからは生物粒子計数器を通して微生物の情報をビッグデータ的にとらえることができるようになるため、その先につながるソリューションは無限に存在すると考えています。その第一歩として、現在製薬業界などで普及が進んでいます。これからの生物粒子計数器と、関連するソリューションの発展が楽しみでなりません。13生物粒子計数システムの一実施形態を示す概略構成図生物粒子計数システムは、前段照射部[700]、生物粒子計数器[77]、および試料流動調整部[800]から構成されている。試料液体に含まれる生物粒子の計数は生物粒子計数器[77]で行われている。また、試料液体に対して前段照射部[700]は生物粒子計数器[77]の上流に設置され、生物粒子計数器[77]において生物粒子を計数する際の指標とする自家蛍光や燐光の光量(光強度)を増大させる準備をあらかじめ行っている。そして、試料流動調整部[800]は、生物粒子計数器[77]に流入(生物粒子計数器[77]から流出)させる試料液体の流量を調整している。自家蛍光物質の例であるリボフラビンとNAD(P)Hの励起吸収スペクトルとその物質からの自家蛍光スペクトルを示す図微生物の細胞中には様々な生理活性物質が存在しているが、その中には光を照射するだけで蛍光を発する物質(自家蛍光物質)も存在する。リボフラビン(フラビン酵素)やNAD(P)Hなどはその一例で、これらは細胞内でエネルギー代謝に関与している物質である。リボフラビンは近紫外~紫~青色の波長の光(380~490 nm)を吸収し、黄緑色(500~560 nm)の自家蛍光を発する。ちなみにNAD(P)Hはリボフラビンとは逆に酸化すると自家蛍光が消失する特長を持つ。生物粒子計数器「XL-M4B」液体中に浮遊している生物粒子(主に細菌)を測定する生物粒子計数器。医薬品工場などにおける注射用水、精製水などの生物粒子を計測する。第18局改正 日本薬局方参考情報「微生物迅速試験法」に準拠し、製薬用水管理業務の軽減に最適。リアルタイム連続モニタリングにより迅速なアクションが可能。本特許技術を適用することにより飢餓状態の(活性が低い)菌でも検出が可能。
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