の接続機器(製造装置など)との親和性も高まり、検査装置としての拡張性が出てきました。生産している製品(例えばベアリングなど)の良品・不良品の判別などに対し、これまでは弊社の分析装置とセンサを組み合わせた特注システムで対応をしておりましたが、これからは測定系統のシンプル化や低コスト化により、「VA-14」がより多く利用されることを期待しています。上位側の接続機器とは? PLC (Programmable Logic Controller)という、製品の生産ラインで機器を制御するコンピュータのことです。「VA-14」を使えば、生産ライン上で音や振動を測定し、収集したデータをシステムの上位側にあるPLCに返すことができるので、今後はこうした運用が増えてくると思われます。また「VA-14」では、これまで公開していなかった通信コマンドを公開しているので、お客様ご自身によって、お客様の環境に組み込みやすくなっています。競合他社製品と比べ何が違う? 同様の振動計を作るメーカーは国内外に複数ありますが、使いやすい点が市場に受け入れられていると感じます。そのため、装置の保全だけにとどまらず、検査や開発の現場など、幅広い部署で使っていただいているのだと思います。工場内や現場でのハンドリングの良さも大きなメリットです。また近年は、設備保全の場面において、ご自分の耳で判断する職人のような仕事をしてきた方がどんどん引退されています。これまで熟練の勘やコツで調べていたものを、誰にでも分かる数値に置き換えて評価したいというお客様がたくさんいらっしゃいます。「VA-14」は、そうしたニーズにも応えられる製品です。営業担当として心がけていることは? 工業製品の高性能化が進み、日々、お客様のご要望が高度になってきていると感じています。そうした中で進化してきた「VA-14」は、振動の大きさに加え、周波数を分析できるFFT分析機能を有した高機能な振動計です。これから振動測定を導入されるお客様にとっては、馴染みのない用語や機能が多いかもしれません。ですので、それらをご理解いただけるよう丁寧な説明を心がけ、製品を導入することでどのように役立つのかを伝えるようにしています。とはいえ、営業担当だけではお伝えできることに限界があるので、社内の営業をサポートする部署が作成した資料や動画を有効活用しながら、「この振動分析計を使うと、このような課題が解決できます」と具体的な提案ができるように努めています。11「VA-14」はどんな製品? 振動を測定する、振動分析計という計測器になります。工場内の設備を保全する部署でよく使われており、定期的に振動を測定することによって、設備トラブルの予防や保全に用いるといったケースが多いと思います。具体的には、化学プラントメーカーや製紙会社、食品工場などの設備を日常的にメンテナンスする部門、また船舶用エンジンメーカーの開発や品質管理部門、半導体の製造ラインや産業用ロボット、工作機械に使用されるモータの開発部門、工業製品に使用されるベアリングの生産技術部門など、様々な業種、部門で幅広く利用いただいている製品となります。前機種の「VA-12」から進化した点は? まず「VA-11」が「VA-12」に変わった際に、振動分析計として初めてカラー液晶を採用し、好評をいただきました。また日本語表示になって、より分かりやすく使いやすくなったというお声をいただいたので、これらは「VA-14」でも、もちろん踏襲しています。加えて、分析する対象物の振動だけでなく、音も測定したいというお客様のご要望を受け、センサを変更することで音も測定できるよう機能をアップしました。 さらに「VA-14」では、新たにLAN端子を搭載しました。これにより上位側「VA-12」の後継機として2025年3月3日より発売。設備診断や現場測定に必要な機能を搭載した、FFT分析機能付きの振動分析計。従来機種から約200 g軽量化し、片手で持ちやすく現場測定に最適。新たにLAN端子を搭載したことで通信が強化され、遠隔制御やファイル転送が可能となった。これに加え、オプションプログラムを使用することで、マイクロホン接続による音の測定が可能。振動測定のみならず音の周波数分析・評価までを、1台でカバーする。振動分析計「VA-14」製品の詳細はウェブサイトでマイクロホンプリアンプ接続LAN端子接続部分LANまたはUSBのどちらかによりコンピュータと通信し、コマンドを用いて本器の制御と画面表示値(振動値、時間波形、FFT分析値)をはじめ、瞬時値、演算値の取得が可能。マイクロホン接続時の測定画面マイクロホンプリアンプ接続機能を搭載し、音の測定が可能。振動測定に加え、音の評価までをカバー。機械の静音性の評価や異音検出などに活用できる。振動計モードの画面振動の大きさ(加速度、速度、変位)を測定することが可能。3つの測定結果は1画面で表示。新機能として、フィルタ(HPF、LPF)の設定が可能となり、振動シビアリティ(ISO 2954:2012)にも対応。
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