RION-JPN-vol13
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なんご 「認定補聴器技能者」は、リオンの医療機器事業部営業部に所属するスタッフの多くが取得している資格です。 認定補聴器技能者の養成課程は4期4年に分かれており、1期に講習と筆記試験があります。これに通ると2期、3期に進むことができ、4期目が資格認定のための試験となります。事前の提出書類と筆記試験があり、前者は実際に自身で対応したお客様の補聴器フィッティングの記録を簡潔にまとめる必要があります。また、後者は4年間の養成課程で学んだ知識を総動員して臨む必要があり、どちらの準備も大変です。 聞こえでお困りの方に対して、適正な補聴器を選択、調整するためには、補聴器相談医との連携も重要です。そのため、受験時には補聴器相談医から証明のサインをいただく必要もあります。 補聴器を初めてご検討される方は、補聴器に対する知識や経験が少なく、一般的に補聴器は高価なものでもあるため、不安を覚える方も多くいらっしゃいます。そういった方にも、補聴器の効果や可能性、使いこなすための方法をしっかりとお伝えして、補聴器に対する不安をひとつひとつ解消し安心して使っていただけるよう、私たち認定補聴器技能者は努力を惜しみません。 お客様の中には、お仕事の関係で音響工学に詳しい方もおられ、販売する者がお客様ご自身よりも知識や経験があるのか不安になる方もおられます。そうした場合にも「補聴器を安全で効果的にご使用いただくため、認定補聴器技能者の資格がございます。私たちは、お客様が補聴器をご使用いただくことで、きこえに満足いただけるよう対応いたします」とお伝えするようにしています。 近年は、テクノエイド協会のwebサイトで全国の認定補聴器技能者を検索できるので、事前に私の名前を知った上で来店されることもあり、大変うれしく思います。 心に深く残っているのが特別支援学校での経験です。未熟児で生まれた生後6か月の赤ちゃんのとても小さな外耳道の耳型を採取し、イヤモールドを作って補聴器を装用していただいたときのこと。補聴器を装用した瞬間、小さな耳に初めて音が届き、その聞こえに反応して首を左右に動かしたのです。その様子を見ていた親御様がお子さんの姿に喜ぶ場面に立ち会えて、とても感動しました。その後もお会いするたびに、喃を教えていただき、補聴器がお子さんの成長に大きく関わっていることを実感しました。 補聴器の販売は、購入いただいたら終わりではありません。お客様が補聴器を使用される環境や聴力などの変化に応じて、補聴器を調整するため、購入いただいてからが、長いお付き合いのスタートになります。私は12年間、リオネットセンターで補聴器の業務に従事しており、補聴器を通じて人生の重要な場面でご一緒させていただきました。 初めてご購入いただいた際は「定年退職した」と言っていた方が、5年後には「娘が結婚した」となり「娘婿やその家族の方とも話をするからいい補聴器にしたい」と、2台目をご購入いただいたり、やがて「孫が生まれた」と、補聴器を通してその方の人生を垣間見させていただけることは、私にとってありがたく、うれしいことです。ひと月に50名ほどの接客をしており、これまで私が担当してきたお客様は、およそ千人にもなります。 認定補聴器技能者としてお客様の聞こえの悩みに常に寄り添い、より良い聞こえを提供し、お客様の生活がより豊かになるようお手伝いできればと日々考えております。語が増えたなどのエピソード18取材・文/小林 良介「公益財団法人テクノエイド協会」が発行する資格。同協会は、福祉用具に関する調査研究および開発の推進、福祉用具情報の収集および提供、福祉用具関係技能者の養成や試験などを実施している。認定補聴器技能者は国家資格ではないものの、「補聴器の選択・調整を行う唯一の専門家」として、医学会や行政からも認知されている。第4回:【認定補聴器技能者とは】木村 真理医療機器事業部 営業部。2009年入社。入社後はデパートや眼鏡店など、流通関係の小売店への補聴器営業に従事。その後「リオネットセンター」に異動、認定補聴器技能者の資格を活かし、現在もお客様に補聴器の説明や販売を行っている。リオンの社員が有する多様な資格を紹介していく連載企画の4回目は「認定補聴器技能者」という資格について。これは、一体どのような性質の資格なのか、資格取得を果たした社員が解説していく。With The License Of…認定補聴器技能者お客様の聞こえに寄り添い 人生と長く関わることができる意義深い資格資格と仕事

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