RION-JPN-vol14
16/24

 発端は、騒音環境の中で従業員が働く企業、中でも中小企業では従業員が騒音対策用の耳栓を付けていないという事実を、新市場研究開発グループの中市健志が知ったことだった。「粉塵や有害物質を防ぐためのマスクは法律が整備されており、フィットテストも行われていてそれぞれの顔に合ったマスクを使用しています。しかし耳栓はその点で遅れています。リオンでは広く騒音障害の防止について研究していますので、そのひとつとして耳栓のフィットテストを開発したいということからプロジェクトが始まりました」 そう語るのは、中市と共に「騒音障害防止ナビ」の開発を行う武田葵だ。 ❺ 耳栓の装着状況を写真撮影❻ 遮音効果の判定❼ 他の耳栓のリスト耳栓フィットテスト結果報告書❶ 作業者への騒音障害教育❷ 測定(耳栓をしない場合)❸ 耳栓の装着方法の解説❹ 測定(耳栓をした場合)表示される画面と得られる結果取材・文 /小林 良介 撮影/赤羽 佑樹耳栓を正しく装着していないと、騒音環境での労働によって障害をこうむることにつながってしまう。本アプリでは、騒音障害防止の観点から、耳栓の装着方法についても詳しく解説することを重視した。31 年ぶりのガイドライン改訂に対応する、かつてないアプリIN THE BACKYARD最終的な結果報告では、合否の判定が示される。結果によっては、適切な遮音値(SNR 値)を備える耳栓への変更を促し、正しい耳栓の装着を啓発する。耳栓の効果を調べるにあたってはまず、測定装置で作業者の聴力を測定。次に、耳栓を装着した状態で再び測定を行う。2 回の測定で得られた裸耳の際の数値と耳栓装着時の数値の差を計算することで、耳栓の効果と、装着の仕方が正しいかを調べる。得られたデータは、所属や勤続年数などを入力することで、全社的な労働衛生管理にも活用可能。新規事業開拓、最前線!31 年振りのガイドラインの改訂でようやく厚生労働省が力を入れ始めたのは、“騒音障害の防止”という労働衛生の改善だ。これに大きく貢献するのが、現在、新市場研究開発グループで取り組んでいる新たなアプリケーションである。意外と知られていない、耳栓の正しい装着法『 騒 音 障 害 防 止 ナ ビ 』( 仮 称 ) 研 究 開 発 の 舞 台 裏『 騒 音 障 害 防 止 ナ ビ 』( 仮 称 ) 研 究 開 発 の 舞 台 裏14 騒音障害を防止するため、必要な要素をひとつのシステムに。

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る