8 あい10 L/min の前モデル「 KC-17」に続き、リオン社初の最小可測粒径0.1 µm以上から 0.5 µm以上までの 5 段階の粒径区分の粒子数を計KC-011974 年から開発が始められ、1977年に発売となったリオン社製光KC-181988 年発売。光源にHe-Ne(ヘリウムネオン)ガスレーザ、受光KC-201989 年、液中微粒子計測器において、光源に半導体レーザ、受光素散乱式気中微粒子計測器の第 1号器。光源にハロゲンランプを使用。日本工業規格( JIS)に定められた性能に準拠し、0.3 µm以上から 5 µm以上までの5 段階の粒径区分の粒子数を計数する性能をもつ。素子に光電子増倍管を使用。最小可測粒径 0.18 µm、 試料流量数する性能をもつ。子にフォトダイオードを用いた光学系センサ技術を確立。これを機に気中微粒子計測器の光学系もまた半導体に置き換わってゆき、同年発売となった「KC-20」もそのひとつ。最小可測粒径10 µm、試料流量 30 L/min、粗大粒子計測用として市場に投入された。 海外製品の輸入販売から自社製品の開発へ リオンが気中微粒子計測器(パーティクルカウンタ)の取り扱いを手掛けるようになったのは、1972年のこと。アメリカのクライメット社製品を輸入販売したことに始まる。これは、騒音計などの分野で事業を推進していたリオンに対し、テクニカル・ワールド社から販売を依頼されたことがきっかけだった。そしてリオンは気中微粒子計測器が環境衛生分野で発展するために不可欠な製品であると判断し、1974年、テクニカル・ワールド社製品の輸入販売を開始する。 「微粒じん埃監視装置」の名で販売された商品は、技術上さまざまな問題を抱えていた。試作品に近い品質の製品には補修改良を加える必要があり、1974年にリオンは自社での開発に踏み切った。この決断に至った背景には、当時の日本が公害問題の只中にあったことも挙げられる。空気中の微粒子の大きさと個数を測る装置は、時代の要請でもあったのだ。 微粒子計測器の基本原理はまず、ノズルから導入された試料(調べたい空間の空気)に光を照射し、試料内の粒子が光を通過した際に、粒子による散乱光が発せられる。その散乱光を受光素子が受けて電気信号に変換し、粒子の数を算出するというものだ。つまり光源は、微粒子計測器にとって最も重要なキーテクノロジーと言える。 外国製品より小型であること、機能が安定していること、価格を抑えることなどを目標に開発は続けられ、1977年、リオンは光散乱現象を利用した気中微粒子計測器1号器「KC-01」を発売。光源にはハロゲンランプが使われ、最小で 0.3 µmの粒子を測ることができた。自社製品の製造・販売という、大きな一歩を踏み出したこととなる。 最初に大きな進化を遂げたのは 1983年、光源にHe-Ne(ヘリウムネオン)ガスレーザを採用した「KC-14」だ。ハロゲンランプでは 0.3 µmまでしか検出することができなかったが、レーザ光を用いることで最小可測粒径0.11 µmを実現。海外製品の性能に追いつく要素技術が確立された時期であった。 次に大きな転換点となったのは 1989年、光源に半導体レーザを用いた「KC-16」の開発だった。光源に半導体レーザを用いるとガスレーザと比較して筐体を小さくすることができ、また受光素子も従来の光電子増倍管からフォトダイオードとなったことで、従来製品に比べて小型化、堅牢性がより高まった。以降、気中微粒子計測器の光学系は半導体デバイスに置き換わり、センサの小型化や信頼性向上を実現、さらにメンテナンス性が飛躍的に向上することとなった。
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