RION-JPN-vol15
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台湾社会に貢献するリオン製品の高いクオリティ左が環境機器関連事業を担当する部長の林弘時(リン)氏、右が 補 聴 器 関連事業を主に担当する課長の郭文婷(ミシェル)氏 。台湾利音貿易社リオンの海外拠点やグループ会社、世界に点在する販売店に話を聞く本コーナー。今号では台湾の環境機器や医療機器を取り扱う「台湾利音貿易社」にフォーカス。同販売店のリン氏とミシェル氏に話を聞いた。  台 湾 利 音 貿 易 が 創 立 し た の は 1977 年。現在は約 70 人の社員が、リオンの騒音計や振動計、補聴器やオージオメータなどの製品を取り扱っている。騒音計は主に工場や政府機関、学校、環境コンサルタントなどに向け、また補聴器は病院から紹介されたお客様を始め一般の台湾ユーザーに向けて販売している。現地では、リオンの各製品はどのような評判を得ているのだろうか。「騒音計、振動計については他社製品と比べて少し高価ですが、品質は非常に高いと感じています。ゆえに台湾でのリオンのシェアはトップクラスですしブランド力も高いと言えるでしょう。補聴器は、聞こえや使いやすさが高く評価されています。今後は、補聴器装用者向けアプリが中国語対応になるとよりいいですね」(リン氏) 加えて、騒音計はトップブランドとして、技術トレンドの先を行くような、ソフトウェアの開発や AI の搭載、スマートフォンを含めたクロスプラットフォームでの利用が可能になると利便性が向上するだろうと熱く語るリン氏。つねに顧客の利便性について思考し、どうすればより多くの顧客獲得につながるのか、社会に資する製品となるのかを考え尽くし、しばしば新鮮なアイデアを提供してくれる、リオンにとっては不可欠な台湾のキーパーソンだ。 リオンと強固なパートナーシップを築きあげてきたなかで、仕事への向き合い方にも好影響があったと話すのはミシェル氏。その理由はやはり、リオンの製品が誇る高い品質なのだという。「難聴が原因で人との交流をやめてしまった大学の先生が、リオンの補聴器のおかげでもう一度自信を持てるようになったという出来事がありました。あの日、その方が私の手を握り締めて、感謝の言葉と共に涙を流していた顔は決して忘れられません。リオンと台湾利音貿易のおかげで、私は人助けする喜びをあらためて感じたのです。日頃から製品や情報提供を通じて善意と温かさを伝えようと努めているのですが、そのことはいずれ自分にも返ってくるのだと実感しました」 台湾利音貿易は環境騒音の領域においても台湾社会に大きく貢献している。1987 年には音響や聴覚と言語、騒音・振動などの専門分野の研究者、専門家たちとともに、政府の認可を得て「中華民国音響学会」を設立(現在は「台湾音響学会」)。また 2020 年に台湾政府が「自動車走行騒音の騒音規制基準」を制定し、騒音計を活用した交通違反取締りシステムを導入する際、複数の競合企業があったが、製品精度の高さが決め手となり、台湾利音貿易が販売するリオンの騒音計が取締りシステムに採用された。その後も台湾利音貿易は、政府との協力を通じて交通騒音防止に取り組んでいる。「超高齢社会に向けて補聴器の需要は当然、増えていくと思いますが、騒音計や振動計についても新たな法律の制定、環境衛生意識の高まりなどによって、需要が増えてくると想定しています」(リン氏) 丁寧なアフターサービスにおいても高い評価を得ている台湾利音貿易。機器の設置、教育訓練、校正、保守、修理にいたるまで、一貫した顧客目線の事業展開にリオンとしても学ぶところは多い。今後もリオンとの関係を一層、磨き上げ、より質の高い製品、サービスを提供していきたいと語るミシェル氏。最後に日本に対してどのようなイメージを持っているのかを聞いてみた。 「景色も美しく環境も整備され交通が便利、そして食べ物が美味しいですね。台湾にも、各地に人の心を動かす文化や歴史があって日本と台湾は共通点が多いと感じます」19取材・文 /小林 良介台 湾 編台北「台北101」などのランドマークが印象的な台北市の風景リオンの騒音計が組み込まれた交通違反取締りシステム音響写真技術を用いた固定式取締り機器1977年に設 立された、リオンの台湾代 理 店。取り扱い製品は主に産業用環境保護機器(音響・振動計測器)、安全保護具など。音響試験・分析機器などを専門とする専門技術企業として、国内外の関連学術団体との交流・研究も精力的に行う。FROM OVERSEAS

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