RION-JPN-vol15
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ψv’(mpα)ψv(α)–mpψv(mpα)ψv’(α)ψv’(mpα) ζ v(α)–mpψv(mpα) ζ v’(α)888+2+81222mpψv’(mpα)ψv(α)–ψv(mpα)ψv’(α)mpψv’(mpα) ζ v(α)–ψv(mpα) ζ v’(α)2(i1+i2)λ02(i1+i2)8π28π2bvPvi1 =Pvψv’(mpα)ψv(α)–mpψv(mpα)ψv’(α)ψv’(mpα) ζ v(α)–mpψv(mpα) ζ v’(α)1(cosθ)dθ1(cosθ)1(cosθ)dPv+bv+a vsinθdθ1(cosθ)sinθPv1(cosθ)a vsinθi1 =i2=1(cosθ)dθ1(cosθ)dθ1(cosθ)sinθmpψv’(mpα)ψv(α)–ψv(mpα)ψv’(α)mpψv’(mpα) ζ v(α)–ψv(mpα) ζ v’(α)Mie の散乱理論リオンスタッフのこだわりコラム 2v+1b vv(v+1)2v+1v(v+1)b vPvdPvdPvdPva v粒子による光の散乱強 度を角度θの関数として示すMie 散乱の一般式で、波長・粒径・屈折率から散乱光の分布を厳密解として求めることができる。近藤 郁微粒子計 測器 事 業部 開発 部 顧問。1981年入社。入社後、基 礎 技 術部にて 微 粒 子 計 の 開 発 に 従 事。2004-2005年の営業技術部を除き、技術部で長きにわたり微粒子計の開発に関わる。2018年から現 職。2003年、広島大学で工学博士号を取得。Mie の散乱理論式リオンを支える、理科や数学好きなスタッフたち。第 10 回は“ なぜ雲が白く見えるのか ” など光の現象を説明した「Mieの散乱理論」をめぐるベテランの思いについて。 私は、大学時代に大気汚染や気象現象の研究に携わっていました。そこでリオンのパーティクルカウンタを知り、その測定方法の原理である Mie(ミー)の散乱理論と出会い、以来、長く関わっていくことになります。 Mie の散乱理論とは、光が粒子に入射することによって、粒子を構成する原子や分子が双極子振動することで光が放出される現象を電磁気学を基に説明する理論です。粒子の大きさが光の波長と近い場合には、位相の異なる双極子振動が多く発生し、Mie 共鳴と呼ばれる複雑な光散乱現象が生じます。入社当初の仕事は、その物理現象を数値計算するプログラムの作成でした。計算結果が既報の研究と一致することを確認し、その後の種々のパーティクルカウンタの開発に大いに役立てることができ、私の仕事における大事な拠り所となっていきました。 1989 年から、私は東北大学と共同で半導体のドライプロセスにおける粒子汚染測定に取り組み、光散乱現象を用いて特殊材料ガス中の粒子測定に成功しました。この成果は、当時先端技術であったプラズマを用いた成膜やエッチング工程において、反応器内で気相生成する粒子の測定にも応用することができました。 その後、プラズマ内における生成粒子の詳しい挙動を知りたくなり、プラズマ内に浮遊する生成粒子の遠隔測定について、九州大学と共同で研究しました。研究成果として、偏光面の異なる複数波長の光を用い、それぞれの散乱光強度の比を Mie の光散乱理論から数値解析することで、浮遊粒子の粒径値を遠隔で測定する手法が確立できました。 この研究では、主にプラズマによるアモルファスシリコン (α-Si) の成膜をモデルとしました。α-Si は可視光に吸収域があり、Mie の光散乱理論では光吸収を複素数の屈折率で表すことで光散乱強度を求めることはできますが、屈折率の値があまり明確にはなっていませんでした。一方、プラズマ内で気相生成する粒子は、実験により粒径が急速に成長することもわかっていました。 そこで、粒子の成長にともなう散乱光強度の変化を、光の波長や偏光面を変えて実測し、その変化パターンと同様になる粒子の屈折率を理論計算値からフィッテイング探査することで、α-Si 粒子の複素屈折率を推定することができました。 その後、これらの成果を踏まえて、広島大学と新たに共同研究をおこない、プラズマ成膜装置内の粒子挙動の解明や粒子測定法の確立を成果として論文にまとめ、博士号を取得しました。論文には、一貫して私の研究活動の支えであった Mie の散乱理論の説明を Appendix に記載することにしました。 定年が近づいた 2016 年からは、「流れ場中の粒子の大きさを幾何寸法に近い値で求め、さらに粒子の屈折率をリアルタイムに測定する測定装置の開発」をテーマとする国の研究プロジェクトに関わることになりました。 研究成果としては、粒子のブラウン運動量を測定することで拡散係数に相当する粒径を求め、さらに、求めた粒径と同時に測定される光散乱強度を散乱式の逆関数に代入することで、粒子の屈折率を算出する方法の実現に成功しました。このような流れ場における粒子の屈折率に関する情報をリアルタイムに求めたのはおそらく世界初でしょう。この研究では、求められる屈折率は、光吸収性のない粒子に限定されましたが、情報量を増やす、Mie 散乱の逆問題をリアルタイムに処理するなどの工夫により、将来的には測定対象を複素屈折率の範囲にまで広げることが期待できます。 粒子の光吸収が、Mie 共鳴で説明される原子や分子の双極子振動の共鳴、あるいは金属粒子のように自由電子が光によって振動するプラズモン共鳴に起因するとしても、私が馴染んできた古典電磁気学を基にしたMie の散乱理論で数値解を得ることは可能です。ただ、この解法だけでは、現象の基を理解することはできないのかもしれません。現在、量子光学をベースにした Mie の光散乱理論を解法する研究が進んでいます。それは、散乱現象や複素屈折率の意味を量子力学的に理解しようとするもので、そこで示される現象の説明が面白く、もう少し Mie散乱に関わっていたい。と、最近は思うのです。 ※         ※※         ※2v+1v(v+1)a v2v+1v(v+1)20No. 010a v =i2=b v =文 / 近藤 郁 粒子と光の共鳴は複雑v = 1Σv = 1Σv = 1Σv = 1Σa v =1(cosθ)は、Legendre多項式Pvψv 、ζ v は、Bessel 関数b v =EPILOGUE SCIENCE, SCIENCE ! I (θ) =I (θ) =λ0理数好きなもので。

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