RION-JPN-vol16
15/24

−SD音響エネルギーレベルの測定結果リオンの販促品として製作した折り紙インパルス音源の展開図(左)と完成品(右)13等、現場における簡易音源としては十分な精度で測定が可能であることをこれまでに確認しています。これらの成果を学会で発表した際には、音響学会のポスター賞や騒音制御工学会の研究奨励賞を受賞することができました。国際学会では、Inter-Noise 2009(オタワ)、2011(大阪)で発表し、物珍しさもあってか会場の反応は上々だったことを覚えています。 紙という安価な材料を折るだけで、誰で世界に広がる、「折り紙インパルス音源」の実用 折り紙インパルス音源は、千葉・幕張メッセで開催されたInter-Noise 2023 の当社ブースで展示されました。会場では日本の文化を紹介する催しもあり、その一環として折り紙のレクチャーも実施されていました。国際会議自体のコンセプトとも相まって、日本の文化のエッセンスを取り入れた本音源は、ブースを訪れた各国の来場者から大きな反響をいただきました。 当社グループ企業のNorsonic AS(ノルソニック)からも、「折り紙インパルス音源をユーザーに提供したい」という強い要望も簡単に作れる音源なので、当時、製品化には至りませんでした。しかし、この「誰でも作れる」という利点が、この音源が広まっていくトリガーになると信じていました。実際、興味を持ってくださった方々が自作して測定に使ってくれるようになり、便利なツールとしてじわじわと認知されてきているように思います。現場測定だけでなく、大学の音響の授業で教育ツールとして使われているという話も聞きます。が寄せられ、販促品としての配布が決定しました。配布数は、2024年の配布開始から 2026 年 3月時点で、すでに約 1,500 枚に達しています。 欧州を中心に南米でも使用いただいているようで、特別な練習を必要とせず、ハンディタイプの騒音計と組み合わせて誰でも手軽に扱える点や、100 回以上の測定に耐えうる実用性、軽量で廃棄物を出さないサステナブルな音源である点を高く評価いただいています。論文や学会発表の中で、音源として折り紙インパルス音源を使 特に近年では、オフィスや教育施設等において音環境への関心が高まっており、室の吸音性能を把握する目的で、残響時間測定の必要性は増加しています。こうした常時使用されている空間では、限られた時間内で迅速な測定が求められるため、今後も折り紙インパルス音源は有効に活用されていくのではないでしょうか。(豊田)用したことが明記されるケースも増えてきており、今後さらに、騒音計の良き相棒として世界に広がっていくことを期待しています。 海外で紙鉄砲を思わせる大きな音を耳にした際には、建築音響測定の現場で折り紙インパルス音源が活躍しているのかもしれません。(米元)BalloonType LType Sサイズの異なる3種類の折り紙インパルス音源と、風船破裂音の音響エネルギーレベルの測定結果を示す。これは、オペレーターは同一とし、5回測定した場合の音響エネルギーレベルの平均値と標準偏差をあらわしている。折り紙インパルス音源は、サイズが大きいほど音響エネルギーレベルは高い傾向がある。風船破裂音は、高音域においてばらつきが大きい傾向がみられるが、折り紙インパルス音源は、全帯域においてばらつきは小さく、再現性が高い音源であると言える。リオンの販促品としては、持ち運びやすさを重視しType Mサイズを採用しているが、これを風船破裂音と比較すると、低音域ではほぼ同等、中音域においてはやや高い音響エネルギーレベルを示すことがわかる。+SD−SD米元 雄一研究開発センター 研究開発室 新市場 研 究 開 発グループ。2006年入社。騒音計のオプションプログラムや管理ソフトウェア、周波 数 分析 関 連ソフトウェアの設 計・開発に従事。2024年から現グループに所属し、現在に至る。昨今の AI 技術の急速な発展に対し、その脅威を肌で感じつつも、新たな可能性に強い期待を抱いている。+SDType M

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る