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強震計測機能と常時振動波形収録機能を装備
多チャンネル強震計測装置「SM-29」を新発売

2014年12月05日

多チャンネル強震計測装置 SM-29

リオンは、大地震に対応する最大加速度±4,000Gal測定(感震器による)を実現する「強震計測機能」と、地震動以外の振動を72日間記録する「常時振動波形収録機能」を搭載した、多チャンネル強震計測装置「SM-29」を開発し、2014年12月10日から発売します。

当社では、ダムや橋梁、交通機関、電力施設、防潮水門など、数多くの重要な構造物に地震監視/防災システムを納入しており、過去に発生した大地震においても確実に作動し、その機能性と安定性の高さが実証されています。

今回発売する「SM-29」は、大地震であっても確実な地震計測を実現するため最大加速度±4,000Galまでの測定を可能(感震器による)にするとともに、FTPサーバーとイーサネットポートを標準装備しており、容易にネットワーク環境に組み入れることができ、WEB上でデータ収集や設定変更を行えるとともに、震度情報ネットワークにも対応可能です。

また、地震時の自動制御としては、感震器2台の両方が設定された閾値を超えた場合に地震計測を開始する「AND起動」、感震器2台のどちらかが設定された閾値を超えた場合に地震計測を開始する「OR起動」、感震器3台の内2台が設定された閾値を超えた場合に地震計測を開始する「2 out of 3起動」を標準装備し、あらかじめ設定した閾値を越える地震動を検知すると機械リレー接点が動作します。これら3種類の制御方式から最適な制御方式を選択し、地震発生時の防潮水門の自動閉塞や、危険物質や有害物質貯蔵施設の緊急遮断弁動作など、緊急時に動作する制御機器との確実な連動が可能です。


さらに、常時振動波形収録機能を搭載することで、車両の通行や風などの気象条件によって構造物(例えば橋梁など)に加わる常時振動を長時間連続記録することでき、耐震性の向上や長寿命化を検討する要素としてデータを活用いただけます。

また、「SM-29」は、感震器6台まで接続できる強震計測装置ですが、7台以上の感震器を同時に稼動させて地震観測する場合は、複数台の「SM-29」を連動することもできます。

主な特長

  • 気象庁検定に対応可能です。
  • 最大加速度±4,000Gal測定で大地震にも対応可能です。(感震器による)
  • 感震器は6台まで接続でき、目的に応じて選択することができます。さらに、「SM-29」は2台以上の連動が可能なため、7台以上の感震器を同時に稼動させて地震観測が可能です。
  • 地震波形はWIN32フォーマットで記録できます。
  • イーサネットポートを標準装備しています。
  • FTPサーバー機能を搭載し、WEB上でデータ回収を行うことが可能です。
  • USBフラッシュメモリで容易にデータ回収が可能です。
  • 接点出力ユニットの追加で最大7段階の警報出力が可能です。
  • 操作はタッチパネルにより各種設定や波形確認が簡単に行えます。

主な用途

  • 地震動が構造物へおよぼす影響などの学術的なデータ収集
  • 地震動の検知に伴う道路や鉄道、電力施設、工場設備における二次災害防止のための制御
  • 地震動以外の常時振動を長時間連続記録し、観測データをもとに耐震性の向上や長寿命化の検討要因などに活用

地震観測システム概念図

システム構成例

1)橋梁の振動解析
車両の通行や風などの気象条件によって橋梁に加わる常時振動を長時間連続記録するだけでなく、地震の巨大エネルギーによって橋梁に加わる地震動も記録します。これら観測データは、耐震性の向上や長寿命化の検討要因などの活用できます。

2)ダムなど大規模構造物の安全管理
堤体の点検は、河床監査廊に配置した感震器が観測した最大化速度に基づき実施します。 また、天端や地山(リムグラウトンネル)に配置した感震器と合わせて、地震動による提体の挙動解析に活用できます 。

3)地震時の自動制御
「AND制御」、「OR制御」、「2 out of 3制御」を標準装備し、あらかじめ設定した閾値を越える地震動を検知すると機械リレー接点が動作します。これら3種類の制御方式から最適な制御方式を選択し、地震発生時の防潮水門の自動閉塞や、工場の緊急遮断弁動作など、緊急時に動作する制御機器との確実な連動が可能です。

4)建物の挙動監視
地震発生時に建物に加わる地震動を解析し、建物の耐震性の向上や、面震性能および制震性能の向上の検討要因などに活用できます。また、あらかじめ設定した閾値を超える地震動を検知すると機械リレー接点が動作し、非常放送設備などとの連動が可能です。