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医薬品工場などにおける注射剤中の不溶性微粒子を計測
光遮蔽型自動微粒子測定装置 液中パーティクルカウンタ「KL-05」を新発売

2018年02月20日

液中パーティクルカウンタ「KL-05」

リオンは、注射剤などの製剤業界の品質管理を目的とした、光遮蔽型自動微粒子測定装置 液中パーティクルカウンタ「KL-05」を2018年4月1日から発売します。

本製品は、日本薬局方をはじめ米国、欧州、韓国、中国などで定められている注射剤や点眼薬中の不溶性微粒子試験に対応した自動微粒子測定装置です。FDA(米国食品医薬品局)のガイドライン「21 CFR Part11」などの電子記録、電子署名に関する規制に対応し、従来機種と比較しデータ改ざんの防止機能を強化しています。また、10.4型ディスプレイとマルチウインドウにより操作性を向上させました。

注射剤は直接人体に注入されるため、不溶性微粒子の粒径と粒子数が、薬局方で規制されています。さらに、この不溶性微粒子の粒子数を自動的に測定するのに最適な、光遮蔽原理に基づいた装置を用いることが規定されています。当社は、1984年に国内メーカー初の光遮蔽型液中パーティクルカウンタKL-01を開発し、販売を開始しました。その後、新製品を順次投入し、注射剤などの製剤分野における定番装置として幅広く導入されています。

主な特長

    1)日本薬局方(JP)、米国薬局方(USP)、欧州薬局方(EP)、大韓薬典(KP)、中国薬典(ChP)に定める注射剤中の不溶性微粒子試験に対応しています。

  • 日本薬局方 注射剤の不溶性微粒子試験法 第1法「光遮断粒子計数法」に対応。
  • 各国の薬局方への対応は工場オプション。

  • 2)10mL容量シリンジおよびアンプルなどの小容器試料台を用意し、小容量測定(USP 787)に対応します。(オプション)


    3)FDA(米国食品医薬品局)の「21 CFR Part11」、PIC/S(医薬品査察協定及び医薬品査察共同スキーム)の「GMP Annex11」、厚生労働省のガイドラインで定められている「電子記録および電子署名に関する規制」に対応し、以下のデータ改ざん防止機能を強化しています。

  • 電子署名機能により、PDFで出力される測定データに電子署名が可能。
  • 操作履歴を記録できる「オーディット・トレイル機能」を搭載。
  • 測定データの削除・記述変更や、履歴の表示・印刷を権限により制限する「オペレーター管理機能」を搭載。
  • パスワードの有効期限設定、自動ログアウト機能を搭載。

  • 4)10.4型ディスプレイ(前機種ディスプレイサイズは6.5型)を採用し、画面の面積は約2.5倍に拡大しました。マルチウインドウを採用しているため、メニュー画面や設定画面、測定結果画面などを同時に表示することができ、オペレーターの操作性が向上しています。また、内蔵記憶装置としてSSD(ソリッドステートドライブ)を採用し、動作速度が向上しています。


    5)可測粒径範囲は1.3μm~100μmであり、粒径区分は最大20段階まで任意設定可能です。定格流量は25mL/minで、工場オプションで10mL/minに対応します。


    6)据付時適格性評価(IQ)や稼働性能適格性評価(OQ)用の書類を用意し、客先での現地バリデーションに対応します。


光遮蔽型自動微粒子測定装置について

    光遮蔽方式とは、光源と受光素子を対面させ、光量を電気信号に変換します。その光を粒子が通過すると、受光素子が受ける光量が弱くなります。その結果、電気信号の減衰量が粒径となり、光が遮られた回数が粒子数となります。

    当社の光遮蔽型自動微粒子測定装置は、センサ、コントローラー、シリンジサンプラの各部が一体化しており、他の流体制御機器と接続せずに測定できます。さらに測定データ・測定パラメータは自動的に保存され、合否判定機能も有しています。

「電子記録および電子署名に関する規制」について

    当社では、医薬品や医療機器業界で要求される本規制を遵守いただくため、KL-05のコンピュータシステムの対応内容を記述したホワイトペーパーをご用意しています。