聴能設備機器

教室のような小規模システムからグラウンド、体育館、ホールや劇場、交通機関などで利用できる補聴援助システムをご紹介します。

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赤外線補聴システムとは

赤外線補聴システムは、近赤外線光を搬送波としてラジエターから放射し、受信機を経由して補聴器へ音響信号を伝達するシステムとして利用されます。

構造と性質

赤外線のシステムは、近赤外線を搬送波とし2.3MHzの副搬送波にFM変調した音響信号を送り出します。赤外線を放射する部分をラジエターとよび、赤外発光LEDを光源としています。赤外線光を搬送波としていますので、光を遮蔽することで外部への信号漏れを防ぐことができますので、システムを多数設置する場合に適しています。また、コントロールアンプとラジエターとの接続配線だけあれば設置できますので、大規模な工事を必要としないメリットもあります。
ラジエターは、LEDを光源としており、正面方向には約20mまで信号が到達します。横方向は左右にそれぞれ約20度、計40度の角度まで広がります。

正面20m以内に壁がある場合、特に光を吸収するような壁構造でない限り反射光を利用することができます。従って5m×5m程度の室内であれば1台のラジエターでサポートすることが可能となります。また、広い部屋でのご利用は、1台のコントロールアンプから3台までのラジエターを駆動できますので、この状態であれば概ね20m×20m程度の室内であればサポート可能です。また複数のアンプを縦列接続しラジエターを増設することでさらにサービスエリアを拡張することができますが、ラジエターとアンプ間の距離を同軸ケーブルで接続する関係で、ラジエター間の接続距離を20m以内にしなければなりません。
赤外線を搬送波とする関係で、屋外や日光が直接入るような場所では使用することができません。間取り等で日光を多く取り入れる構造である場合はカーテンやブラインドを併せて設置することをお勧めします。
受信機は、可能な限り専用のものをお使いください。赤外線受信機は、副搬送波周波数によってチャンネルが割り振られます。従ってその副搬送波周波数が異なったり、変調方式が異なったりすることで互換性が失われる場合があります。
受信機と補聴器の接続は、受信機の外部出力と補聴器の外部入力を直結する方法と、受信機側のネックループ(タイループ※)と補聴器のTコイル(誘導コイル)の磁気結合による接続との2つの方法があります。また、受信機用にイヤホンを用意することで補聴器がなくても直接モニターする機能があります(IR-71)。

※タイループは、一般名称「ネックループ」に対するリオン株式会社の商品名です。