生物粒子計数器は、2010年に研究が開始されました。きっかけとなったのは、生物体を計れる波長域のレーザーダイオードの誕生で、これを使って、生物粒子とその他の微粒子を判別できるのではないかと考えたのです。実用化の鍵となったのは、生物が持つ自家蛍光物質でした。
細菌をはじめすべての生物の細胞は、代謝活性物質としてビタミンB2の一種である「リボフラビン」を持っています。リボフラビンは、所定の波長の光に対して蛍光を発することが知られていますが、リオンはこの自家蛍光現象に注目することで、生物粒子の存在をすばやく確実に検出する方法を開発しました。
リボフラビンの自家蛍光
生物粒子計数器は、紫色レーザと散乱光検出器(受光素子)、蛍光検出器(受光素子)から構成されます。
- 1. UVレーザから発する特定の波長の光を、液中の微粒子に照射します。
- 2. 微粒子からの散乱光を散乱光検出器で検知します。微粒子の有無や大きさが分かります。
- 3. 蛍光検出器がリボフラビンの蛍光を検知します。これにより、その微粒子が生物粒子か否かを即座に判定します。
測定できる生物粒子の大きさは0.2μm以上、細菌類のほぼ全域をカバーできます。あらゆる生物細胞が持っている自家蛍光現象をキャッチすることで、多くの種類の細菌を検出することができます。